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第6章 再愛

第５章を読み終わった時、自然に涙が出てきた。

不倫をする理由は、人それぞれ。
確かに、どうしてこうなってしまったのか？
なんて事は、付き合っていくうちに話す事もあるだろう。

どんな理由があろうとも、不倫に正当な理由なんてない。

蛍が求めていたものは知っていた。

でも、元旦那との間の確執にこんな深い理由があったなんて‥‥知らなかった。

蛍は、小さな事でも喜んだ。

優しさのうちに入るか？入らないくらいの普通の事でも、笑顔で喜んだ。

それに、「有難う」って必ず言う。

俺は、そんな素直な蛍が大好きだった。

ただね‥‥
俺の親切の中には、少し君への憐れみもあった。

君が笑っていても、帰り際に泣きそうになって俺に甘えるから。
よっぽど、帰りたくない場所に無理して帰っている様に見えた。

俺なんかより、ずっとずっと辛い思いしてきたんだって‥‥分かっていた。

あのベンチで泣いてしまった君。

俺の顔を見て、安心した様に涙を流した。

いや、きっと泣こうなんて思ってなかっだんだよな。
君は、止め処なく流れてしまう涙を隠す様に、下を向いて泣いていたんだ。

漏れる嗚咽を堪えていた。


君の抱いた悲しみ、憎しみ、憤りが文字から伝わり、涙が出るよ。


今日は、俺を何度泣かせる‥‥