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第6章 再愛

激しく求め合ったセックスが終わると、
私は泣いていた。

苦しくなっちゃつた。
弱くなりたいよ‥‥
心がね‥‥苦しいって。


哲朗さんは泣いてしまった私を抱きしめる。

「いいよ‥
無理すんな」


「世の中にはさ、どうにもならない事って沢山あるね」

「上手くいかない事の方が多いさ」

哲朗さん、あなたは私より頭がいい。
どうにもならない事でも、私とあなたの乗り越え方は違う。

あなたと私の抱えた現実も違う。
もう、同じじゃない。

今迄は、家庭がある者同士だったら、この関係では同等だった。

今は‥‥私があなたを想えば、想う程、重くなり、同じ重さの針を刺す天秤も、傾いてしまう。

私の想いはあなたより重い。


釣り合いの取れない恋人に待っているものは、別れのみ。

あなたに「別れよう」と言われるの、イヤだな。

失いたくない。

私の人生諦めばっかだな。

振るとか振られるって、対等な関係の恋人に使う言葉。

不倫の恋人はさ、そんな言葉すら、使うのは御門違いに思えたよ。