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再愛
第6章 再愛
案の定、あなたからのメールは来なくなった。

ホッとしているあなたを想像すると、腹が立ったわ。

潔く、別れを告げてもね、寂しくて、辛くて悲しいの。
そういう決断をさせたあなたは、私より罪深いかもよ?

私が頭が悪くて、往生際も悪かった?

今となったら、どっちでもいいわ。

ほんの一時期、あなたを恨んだ。

恨んだけど、嫌いにはなれなかった。

『有難う』とも思わないの。

最期のあなたの狡さが、私には消化出来ないの。

でもね、その狡さのお陰で前を向いて歩く事が出来たわ。

愛されない人生は辛いもの。

失うものなんて何もないと思ったけど、あなたを失ってから、靄がかかっていた目の前が、スッキリとしたの。

愛しい娘が居たわ。

この子を真っ直ぐ見れなくなる様な、恥じる事は、一生しないって思ったの。

泣いて落ち込む暇がない程、母子家庭の生活は楽じゃないのよ。

救いだったかな?

無駄な事を考えなくて済んだ。

その代わり、一人になると泣いていた。

惨めね。
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