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再愛
第7章 ラストプレゼント
まだ続くページを捲ると、
蛍の書いた絵手紙の作品が載せられていた。



あの日、あの場所で、あのベンチで寄り添う俺たちのシルエットが描かれていた。


『凍った心を溶かすのは、一枚の上着で十分だった』



俺はその絵と言葉を見て、
涙が溢れてしまうのが‥‥‥
止まらなかった。
肩を震わせ、声を殺して泣いた。

涙はすぐには止まらなかった。



暫くすると、後ろからふわっと温かい空気に包まれ、
そんな俺を後ろから抱き締めてくれる様な感触が伝わる。



『泣かないで。
私は幸せなんだから。

バカね。
私の戯言に泣いたらダメよ。

あなたは、あなたの人生をしっかり歩まないと。

後悔ないようにね。

サヨナラだよ』


そう、囁かれた様な気がした。



君の小説に帯をつけるのなら、俺しか居ないよな?




こんな衝撃的で胸を揺さぶられる物語には、
恐らく、この先も出会う事はないだろう。
心を裸にされる様な、真っ直ぐ過ぎる物語。
読み終えた後、生まれ変れる様な気がした。

杉下哲朗



蛍の小説の最期のページに打ち込んだ。




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