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再愛
第8章 形あるものへ
俺は自分の中のグレーの景色を取っ払う。
どんなに辛く悲しい思いに支配されようとも、
生きている限り、平等に朝はやって来る。
そしていつも通りの朝になる。
スーツに着替えて、会社に行く準備をする。
部屋を出て、リビングに行くと、少し早く起きた詩織と圭太がダイニングテーブルの席に着き、それぞれの朝を迎えていた。
英国の有名な紅茶を淹れて、優雅に香りを楽しみながら飲む詩織。
詩織と向かい合わせに座り、食パンを齧りながら、片手には参考書を離さない圭太。
俺に気づくと、「おはよう」と一応、声は掛ける。
「あなた、コーヒー?」
詩織が椅子から立ち上がる。
「あぁ、頂くよ」
「風邪はいいの?」
部屋は別々だし、圭太の受験に付き添う詩織は、受験の妨げになる事を避け、昨日も一切、俺の部屋を覗こうともしなかった。
「あぁ、ゆっくり寝たら、良くなった」
「そう、なら良かったわ」
俺の目の前に、コーヒーカップを置く。
多分、もう俺に興味などないのだろう‥‥
いつもの俺なら、黙ってコーヒーを飲み、会社に行く。
でも、今日からは違うんだ。
どんなに辛く悲しい思いに支配されようとも、
生きている限り、平等に朝はやって来る。
そしていつも通りの朝になる。
スーツに着替えて、会社に行く準備をする。
部屋を出て、リビングに行くと、少し早く起きた詩織と圭太がダイニングテーブルの席に着き、それぞれの朝を迎えていた。
英国の有名な紅茶を淹れて、優雅に香りを楽しみながら飲む詩織。
詩織と向かい合わせに座り、食パンを齧りながら、片手には参考書を離さない圭太。
俺に気づくと、「おはよう」と一応、声は掛ける。
「あなた、コーヒー?」
詩織が椅子から立ち上がる。
「あぁ、頂くよ」
「風邪はいいの?」
部屋は別々だし、圭太の受験に付き添う詩織は、受験の妨げになる事を避け、昨日も一切、俺の部屋を覗こうともしなかった。
「あぁ、ゆっくり寝たら、良くなった」
「そう、なら良かったわ」
俺の目の前に、コーヒーカップを置く。
多分、もう俺に興味などないのだろう‥‥
いつもの俺なら、黙ってコーヒーを飲み、会社に行く。
でも、今日からは違うんだ。