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再愛
第6章 再愛
正直、私は男運がない。

普通に生きていたら、多分、疲れた主婦で終わっただろう。

そんな主婦が手っ取り早く、相手を見つけて、心の隙間を埋める場所なんて限られている。

最初は遊びだった。
サイトに自分宛に来るメールの数に驚き、喜んだ。
それだけを楽しみにして、深入りしなければ、今の私に出来上がってないだろう。

好奇心が勝ってしまう事もある。
如何わしいを百も承知で、踏み入れてしまう程、判断能力すら鈍っていた。

皮肉な事に、この寂しさを埋めてくれる人には巡り会えず、日々、サイトを物色する女になっていた。

そんな女の前に、誠実な男が現れるわけないのにね。

今だからこそ、そんな自分の浅ましさに嘲笑うけど、あの頃の私は、本気で必死に探してたんだ。


『たった一人でいい。
この世の中に一人で。
私を女として見てくれる人に、この生涯が閉じる前に出逢いたい』って。

割り切りの身体の関係は…心が冷えるばかりだった。

セックスが欲しかったわけじゃない。
例え不倫の関係だとしても、想いのないセックスを重ねるのは、心にグサっとナイフを突き刺され、ソコを更に抉られ、ダラダラと血を流しているのに、応急処置すらして貰えずに、『野たれ死んでも、お互い楽しんだということで』と、冷たくあしらわれる様な感覚にすら陥り、自分を余計に醜くしていった。

自分で自分を抱きしめ、体育座りのような姿勢で、誰も居ない部屋で、声を殺して泣いた。

『そんな人に、一生出逢えないのなら、もう、一層の事、死んでしまえばいいのに…』
弱くなった心が、行き場を無くして、叫んだ。


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