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再愛
第6章 再愛
ハンバーガーショツプを出て、
並んで二人で歩いていたら…

「天気いいし、手でも繋いで公園を散歩してみる?」

あなたの声が頭上から聞こえた。

私は、あなたを見上げる。

哲朗さんは、私より約20センチ背が高い。
日差しの中で、穏やかな笑顔で言うの。

不倫の関係ってさ、太陽の下で手を繋ぐなんて無縁だと思っていた。


「うん」

「夏海」

「う?」

「そう呼んでいい?」

「うん」

「夏海との距離はもっと近くなった」

あなたは、照れ臭そうにそう言って、
ギュッと手を繋いだ。


ふわふわとした幸せな感触を身体全体が包み込んだ。

あなたの手は、大きい。
大きくても、長い指が繊細さを残してる。
あなたが捲る本は幸せね。

きっと、この指先で大事に捲って貰えるから。

手を繋がれた私は、もっと幸せ。

この時、この瞬間に…
あなたの隣を独占出来る女だもの。

不倫の恋でもさ、
こういう甘さと優しさが大事。


女なんだもん。


どんなに醜い事をしていても、
こういう瞬間があるから…



生きていて良かったって、単純に思うんだよ。
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