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アホはお前じゃ 
第3章  
 あなたたちが出会ったのは、一昨年の夏でしたね。

 あの日のことは、今でも鮮明に覚えています。
 忘れもしない、8月の、蒸し暑い午後のことでした。


「服、下だけ脱げや!」


 あの日、2階の作業場に大基の怒鳴り声が響きました。


「脱いだらすぐこっち来い!」


 私は大基の発言の意味をすぐに理解できず、作業場の戸口に呆然と立ち尽くしていました。


「なんしとん、はよせぇや!」


 古い冷房の吹き出し口がカタカタと音を立てながら生ぬるい風を放出していました。

 その風に何時間も当たり続けているはずなのに、モニターの前に座る大基は上半身裸で、背中には玉のような汗がびっしりと浮かんでいました。



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