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第5章 日常 -理香side-
「どうしました?」

「施主も今から見に来るらしくてさ。
近くのコーヒーショップで、みんなのコーヒー買って来てくれる?」

「いいですよ」

「じゃあ…はい」
スーツのポケットから財布と車の鍵を取り出し、私に渡した。
そして、私の耳元に顔を近づけ、呟いた。

「南山は甘いやつ頼んでいいから。
その代わり、いつもみたいに小銭使って払ってくれる?」

半沢さんのかわいいお願いに、笑って答える。
「了解です」

半沢さんは仕事は出来るのに、お店で小銭を出すのが苦手らしく、お札ばっかり使うから、いつも財布の小銭入れがパンパンに膨れている。

以前に買い出しを頼まれた時に、小銭を多く使って支払ったことがあって、それから時々、こうやって頼まれるようになった。

私は山本さんと話をしている祐樹に、小さく手を振って買い出しに出かけた。

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