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第19章 弟 -理香 side-
“♪〜♪〜♪〜♪〜”
焼肉屋さんから出たタイミングで、祐樹のスマホが鳴った。
「悪い、会社から」
そう言って、少し離れて電話に出る。
「理香、ケーキ買ってー」
その視線の先にはケーキ屋さん。
「いいけど、祐樹の電話が終わってからね」
「待てない。行こうー」
よっしゃんが私の手を握り、走り出す。
強引なとこは同じだ。
「きゃっ、ちょっと…」
子供の頃は、私が引っ張ってたんだけどな。
すっかり男の人の手だ。
だけど、ショーケースに並ぶケーキを眺める姿は子供みたいで。
嬉しそうに尻尾を振る犬のようにも見える。
焼肉屋さんから出たタイミングで、祐樹のスマホが鳴った。
「悪い、会社から」
そう言って、少し離れて電話に出る。
「理香、ケーキ買ってー」
その視線の先にはケーキ屋さん。
「いいけど、祐樹の電話が終わってからね」
「待てない。行こうー」
よっしゃんが私の手を握り、走り出す。
強引なとこは同じだ。
「きゃっ、ちょっと…」
子供の頃は、私が引っ張ってたんだけどな。
すっかり男の人の手だ。
だけど、ショーケースに並ぶケーキを眺める姿は子供みたいで。
嬉しそうに尻尾を振る犬のようにも見える。