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第21章 秘密 -理香side-
それなのに、変更による差額なしっていうのはかなり魅力的だ。
図面なんかを自分たちで用意することが条件だが、普段の仕事でやっていることだから苦ではない。

むしろ、自分の思い通りに設計が出来るのが楽しみでもある。

使ってみたい内装材もあるし。
やってみたいこともたくさんある。
でも、基本的には機能性を重視したいし。



「俺が隣にいること、忘れてない?」
不機嫌そうな祐樹の声。

「…忘れてないよ?」
上目遣いにその顔を覗き込むと、祐樹の唇が近づいてきて、私の唇に触れる。
私の手から契約書を取り上げると、それを一瞥し、床に投げた。

さっき祐樹の会社で、正式に契約したマンション購入の契約書なのに。

「ちょ…契約書───」

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