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第23章 非日常 -理香side-
案内されたのは、一つ上の階の1番奥の部屋。
その男は、社員証で鍵を開け、ドアを大きく開く。

「どうぞ」
ドアを開いたまま、私を中に入るように促した。

部屋の中には、スチールラックが並んでいて、その棚には段ボールが詰め込まれている。
ぐるっと見回してみるが、祐樹の姿はない。

「あの…北宮さんは?」

男を振り返ったところで、頬を叩かれた。
叩かれた反動でスチールラックにぶつかり、床に崩れ落ちた。

突然のことで、頬に痛みを感じながら顔を上げると、男のにやけた顔が見える。

次の瞬間、再び男に頬を叩かれ───。
私は意識を手放した。

「…ちゃん…理香ちゃん…」

名前を呼ばれ、肩を揺すられ、目を開くとさっきの男がいた。

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