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第24章 殻 -祐樹side-

一枚一枚の絵画を二人で並んで見る。
‘ 好き ’ か ‘ 嫌い ’ の二択しかない俺。
そんな俺に理香は、絵画の基本的な技巧や表現方法を説明してくれる。
「この作者はピカソと同じで、モデルの女性を多角的に見て、それを1枚の絵に描いたんだろうね。
それだけモデルの女性が好きだったのかな」

モデルの女が好きだから色々な角度から見つめて、その全部を描いたってことか。

同じ絵を見ても、その捉え方の違いに驚く。
建物を見た時もその表面の形だけでなく、その奥にある人の生活や動きを見ようとしてるし、感受性が豊かなんだと思う。

理香のように世界が見えたら、もっとたくさんの物が見えるのだろうか。