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第26章 才能 -祐樹side-
えーっと、次が電気配線図…。


洗面所からバタバタと足音が近づいてきて、ローソファーの座面が軋む。

「祐樹、どう?」
理香が覗き込むように俺を見る。

「いいんじゃない?」

「えぇー、それだけ?」
俺の返事に不満そうに理香が頬を膨らませる。

「それだけ」
理香の顔を引き寄せて、その唇に自分の唇を重ねる。

「もうちょっと何かないの?」

「ないよ?」
そんな上目遣いで見ても、何も出ません。
しばらく俺を見ていた理香が諦めたかのように、ローソファーの背もたれに身を預ける。


それを横目で見て、俺は電気配線図に視線を戻す。

ホントに細かいとこまで考えられている。
将来、寝室と子供部屋の間取りを変えた時の為の仕込み配線まで記載されてるし、完璧だ。
この図面を見せられて、俺が言えることなんてない。

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