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第26章 才能 -祐樹side-

この家に俺がいて、理香がいて、そのうち子供が生まれて。
ここでごはん食べて、ソファーで寛ぎながらテレビ見て、こっちでパソコン広げたり、ゴロゴロしたり。

これからの生活がリアルになる。
図面だけでこの家での暮らしを想像させられる理香はすごいと思う。


ここからは、俺の仕事。
材料の拾い出し。
工事は3課が仕切るから、俺が出来るのはこれだけなんだけど。
図面から床材、壁紙、タイルなどの材料がどれくらい必要か算出していく。

俺がペンを手にすると、隣で膨れていた理香の表情が変わる。
「材料の数量を拾う時、ウッドタイルと玄関のタイルは3割増にしといてくれる？」

「いいけど、3割って予備にしては多くない？」
普通、材料の予備は1割程度。
予備も材料費に入るから、予算が厳しい時にはギリギリの量しか発注しないこともある。