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第29章 情 -理香side-
朦朧とする意識の中で、自分の発する嬌声と交わる水音を聞いた。
耳元で熱く荒い呼吸も聞こえる。


祐樹が何か言ってる…?
よくわかんない…。

もう、無理…。






だけど、思考回路がストップしていてもわかる心地いい体温と重み。

祐樹の匂い。
同じシャンプーやボディーソープを使っているのに、私とは違う匂いで。


頬や唇に落とされる唇の感触。
その口づけはとても優しい。


絡めた指がぎゅっと握られ、私の感じる部分を擦るように強く打ち付けられ、私は意識を手放した。

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