この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
brass button
第30章 意志 -祐樹side-
「今日も朝ごはん、おいしい…」
味噌汁をすすりながら、しみじみ理香が呟いた。
長いと思っていた2週間の最終日。
ここで食べる最後の朝ごはん。
昨日までと違って、浴衣ではなくスーツを着て食べている。
チェックアウトの10時にはここを出て、理香と一緒に芦田設計事務所とうちの会社に顔を出すことになっていて。
どこまで理香の心が回復しているか。
支配人や宿泊客の初老の男性に話しかけられた時、怯えることなく落ち着いていたが…。
盗み見た冬瓜の煮物を頬張る表情はちょっと硬いような。
…やっぱり緊張してるよな。
いつまでもこのままで立ち止まっているわけにはいかない。
逃げてもいいから、何らかの形で動き出さないと。
味噌汁をすすりながら、しみじみ理香が呟いた。
長いと思っていた2週間の最終日。
ここで食べる最後の朝ごはん。
昨日までと違って、浴衣ではなくスーツを着て食べている。
チェックアウトの10時にはここを出て、理香と一緒に芦田設計事務所とうちの会社に顔を出すことになっていて。
どこまで理香の心が回復しているか。
支配人や宿泊客の初老の男性に話しかけられた時、怯えることなく落ち着いていたが…。
盗み見た冬瓜の煮物を頬張る表情はちょっと硬いような。
…やっぱり緊張してるよな。
いつまでもこのままで立ち止まっているわけにはいかない。
逃げてもいいから、何らかの形で動き出さないと。