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嫌なのに……
第8章 通勤電車

く、苦しい…!
人間に押し潰され、亜海は身動きひとつ出来なくなった。
隣にいた同僚も見失ってしまう。
駅に着く度に人の波が動き、流されて降ろされないようにするのは骨が折れた。
こんな状態で1時間も?毎日?!
早くも亜海の心は折れそうだった…
『それにしても…』
チラチラと周りを観察して亜海は感心していた。
どの人も無表情で淡々としている。
この人混みで器用に本や新聞を読んでいる強者までいる。
自分も慣れれば、あんなこと出来るのかな…
想像も出来ないや、とくだらない事を考えている間にも電車は走り続けていった。

