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嫌なのに……
第2章 ケダモノ

苦しい…!
口を塞がれたまま恐ろしい力に囚われた亜海が連れ込まれたのは、路地の奥にひっそりと佇んだ、もう誰も住んでいない三階建てのマンションの踊り場だった。
薄暗く埃っぽい床に放り出された亜海が見たのは
50代くらいの…少し筋肉質な男だった。
薄い髪の下には、ギラギラとした獣のような目が光っている。
引きずられている間に半分力が抜けていた亜海だったが、その目を見て完全に力尽きた。
殺されるかもしれない……
恐怖が亜海を包み込む。
だが、これから起こる悲劇は、死ぬより辛いことかもしれなかった……

