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嫌なのに……
第10章 終章

小学生の頃は亜海も明るくお転婆だった気がする。
自転車を飛ばし過ぎて骨折したり、男子とプロレスしたり…擦り傷の絶えない娘だった。
いつからだろう?
内向的であまり喋らなくなり…表情に憂いを纏い始めたのは?
家でもひっそりとしていて印象の薄い妹を、洋海は必死に思い出していた。
亜海が中学の時に…ひどく遅い帰宅をした時があったっけ…
いつも陽がくれる前には帰ってくるあの娘が…
珍しい事もあるもんだと思ったわ…
あの頃からじゃなかった?
亜海が暗くなったのは…
高2のとき、珍しくお洒落して浮かれて出掛けて…
翌日から引き籠りになった…
すぐに何でもないよと、学校にも行くようになったけど。
なにか、大変な事が亜海にあったんじゃないだろうか?

