この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嫌なのに……
第4章 山小屋

「えーと、娘と二人分ね。」
じゃらじゃらとお金を箱に落とし込む。
娘?!
確かに親子ほど年は離れているが…
そう言われれば、運転手に疑われることもない。
男の狡猾さに改めてぞっとする。
「ほら、亜海~早く~」
わざとらしく亜海の鞄を持ち上げ、前後に振る。
仕方なく亜海はバスを降りた。
団地と言っても市営団地のような建物が並んでいるわけではない。
開発中の住宅街らしかった。
真新しい家が幾つか建てられ、既に生活している住宅もあるようだ。
後は更地と建設途中になっている。
売りは自然に囲まれた静かな住宅…と言ったところか。
「ほら亜海ちゃん、こっちだよ」
相変わらずにこやかに亜海を誘う。

