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写性 …SHASEI…
第2章 生い立ち
こうして、形の残らないプレゼントを受け取ることにする。

何回か受け取るようになって、花束やケーキの中に手紙が入っているようになる。

「沙絵ちゃん寂しくない?」

「元気にしてる?」

「会いたいなあ。」


そして私も返事を書く。

「それは…」

「私の命令が聞けないの?
受け取る時に渡すだけよ。
それならクビにしてもらうように言うから…」

「は、はい、お嬢様」


お祖父様とは、あれ以来口を聞いていない。
それで、お祖父様がお手伝いさんを叱っているのを聞いたのだ。

『ワシの命令が聞けないのか、沙絵を連れてこないとクビだ。』

どうやら『命令』と『クビ』と言うとお手伝いさんは言うことをきくと学んだのだ。

私は生きるべき知恵として人の上に立つことを学んでいった。


『おとうさま、おはなやけーきをありがとう。
さえのへやは、にかいのかどにあります。
おとうさまが
かえるところがみえます。
こんどみてください。』


ピンポーン…

お父様がきた。

私は椅子を窓際に運ぶ。


早くお父様が手紙を読んでこっちを向いてくれないかしら…


私は窓を開けて待っていた。

お父様が門を出て手紙を見ている。
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