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写性 …SHASEI…
第11章 柊
沙絵には楽しみができたようで、庭に出ては花の様子を見て、葉を1枚とっては吹いて遊んでいた。

ツリーやオーナメントも注文して、クリスマスに備えた。

曼珠沙華の花が終わってから、僕は極力沙絵と愛しあうのを控えた。

沙絵も遊びや自分のことに夢中になれば、僕を求めてこない。

なるべく、普通に…
そう願った。


パソコンの操作に向けて、平仮名、片仮名、ローマ字を教えた。

沙絵は、お勉強の時間が好きになったようで、仕事中も、隣で幼児用のドリルを開き、一生懸命やるようになった。


閉ざされた空間の中での生活のペースが段々とつかめるようになってきたのだった。




「お父様、柊の花、散り始めたよ。」

「ほら、後に小さな実になっているでしょう?これが大きくなって赤くなっていくからね。」


沙絵は実が色づくまで毎日柊を確認する。
本当はペットの世話をしたいんだろうな。

そう思いながら見ていた。

「お父様、柊が赤くなったわ。」

枝を切って乾燥させる。

葉や実の色が落ち着いて濃くなっていくのを不思議そうに見ていた。

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