この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
写性 …SHASEI…
第11章 柊
お父様が頭を撫でて抱き締めてくれた。
優しいね。
温かくてくすぐったい気持ちになった。
毎日おやつに飾りを1つとって食べる。
包み紙の数字は大きくなり、中には色んな格好のクマがいる。持っている数字は段々と小さくなる。
何日目からか、そのクマの絵を描くことを思い付いて、午前中、お父様の絵の時間に一緒に描くことにした。
絵を描くことをお父様がすごく喜んでいた。
「お父様、クマこれが最後だよ。」
「今日がクリスマスイブ、明日はクリスマスだってことだよ。」
「イブってなぁに?」
「生まれたのはクリスマスで、その前の日ってこと、家族や親しい人とお祝いして、その夜にサンタクロースがプレゼントを届けにくるんだ。」
「私のところにも来るの?」
「早く寝ればね。サンタクロースは世界中の子供のところにいかなきゃだから、起きていたら、おうちに入れないからね。」
世界中…黒い塀の外には何もないわけじゃない。
わかっていたけど、だんだん興味がなくなって、外に出てみたいと思わなくなっていた。
何となく、そうしたらお父様が悲しむような気がしていた。
だから、塀の外のことをうっかりお父様が話しても、気づかないフリをすることにした。
優しいね。
温かくてくすぐったい気持ちになった。
毎日おやつに飾りを1つとって食べる。
包み紙の数字は大きくなり、中には色んな格好のクマがいる。持っている数字は段々と小さくなる。
何日目からか、そのクマの絵を描くことを思い付いて、午前中、お父様の絵の時間に一緒に描くことにした。
絵を描くことをお父様がすごく喜んでいた。
「お父様、クマこれが最後だよ。」
「今日がクリスマスイブ、明日はクリスマスだってことだよ。」
「イブってなぁに?」
「生まれたのはクリスマスで、その前の日ってこと、家族や親しい人とお祝いして、その夜にサンタクロースがプレゼントを届けにくるんだ。」
「私のところにも来るの?」
「早く寝ればね。サンタクロースは世界中の子供のところにいかなきゃだから、起きていたら、おうちに入れないからね。」
世界中…黒い塀の外には何もないわけじゃない。
わかっていたけど、だんだん興味がなくなって、外に出てみたいと思わなくなっていた。
何となく、そうしたらお父様が悲しむような気がしていた。
だから、塀の外のことをうっかりお父様が話しても、気づかないフリをすることにした。