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写性 …SHASEI…
第15章 沈丁花
1週間ほどして荷物が届く。あの写真が出来たらしい。早速お父様と見た。

「ああ、とても綺麗で可愛らしく撮れたね。」

何枚かが大きくなって、本のようになっていた。

自分はこんな顔をしているんだ。まじまじと見ていた。

「あれ?予定以上に沢山あるなぁ…」

また新しいのをお父様が開く。

「あ、お父様と庭に出るところだ。」


間に手紙が入っている。

『自然でとてもいい表情の沙織ちゃんに思わずシャッターを切りました。他にもいいのがあったので小さいサイズですが入れておきます。』

「だってよ、沙絵。ほら、小さなアルバムも入ってるよ。」

お父様を呼んでほっとした顔のものや、椅子に座って足をぶらぶらさせているものなど、たくさんの写真があった。

「写真って難しいのね。」

「そうだね。これも一つの芸術だからね。いいと思うまで何枚も撮って選ぶのも大変だよね。」

「私も写真を撮ってみたいな。」

「沙絵は何を撮りたい?」

「お花でも、お父様でも、いいなって思ったらカシャカシャってすればいいんでしょう?やってみたいかな…」

「そっかぁ…」


この時はすごく思っていたのに、しばらくしたら私はすっかりこの話を忘れてしまっていた。
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