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写性 …SHASEI…
第15章 沈丁花
「ほら、写真やさんが持ってたあの機械。」

「本当だ、カメラだ。サンタクロースのプレゼント、沙絵は気に入った?」

「うん、すっかり忘れてたけどサンタクロースが覚えててくれたわ。」

「それは良かったね。」

「写真を早く撮ってみたい。」

「そうだね。でも使い方をしっかり見ないとだから、ご飯の後まで待てるかな?」

「うん、お父様、早くご飯の支度しよう。」

「あはは、そうだね。」

沙絵がプレゼントを喜んでくれて良かった。
今年はあえて聞かずに決めてしまっていたから…

でも、このプレゼントが沙絵の将来を変えるきっかけになるとは、思ってもみなかったのだ。

「ねぇ、お父様へのクリスマスプレゼントはないの?」

「へ?っあぁ…子供の頃にはちゃんとあったよ。
でも、大人にはサンタクロースはプレゼントを置いていかないんだよ。」

「そうなの?
お父様のところにもプレゼントが来るようにお願いしておくわ。」

「あはは、ありがとう沙絵。でもサンタクロースは来ても大人の分は置いていかないよ。」

「大丈夫、来年からちゃんとお願いしてあげるから…」

お父様が欲しいものはわかってる。それは私と同じものだ。
でも、それは叶わない。ならば、代わりになる人がくればいい。
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