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写性 …SHASEI…
第19章 来訪者
どのくらいしてからだろう。その人とお父様がアトリエだけでなく客間にも行き来するようになったのは、

そのうちに、行き来する廊下でも女の人の妖しい声がすることもあった。

客間の隣のバスルームも使い始め、お父様とその人が私とお父様のように愛し合っていると気づいた。


「沙絵、今日は悪いけどお昼ご飯お部屋で食べててくれないか。」

「どうしたの?」

「絵を習いに来ている人が具合が悪くてね。様子を見てあげたいんだ。」

「うん、わかった。」


でも、私は不安になった。お父様はその人のことを本当に愛していて、お母様も私も忘れてしまうのではないか…

お母様より好きな人ができたら、お母様との約束で一緒にいる私は、邪魔になるんじゃないか…

気にしてみれば、お父様から愛し合おうと言われることが減ってきて、あの部屋にいこうと誘われることも少なくなってきた。


私はまだ子供だから、そしてあの人は大人だから、
お父様はあの人と愛し合って満足しているんだ。

私では出来ないことがあるから、満足出来ないんだ。

お父様から必要とされなくなったら、私はお祖父様のもとに帰されてしまうの?

いっぺんにいろんなことを考えてしまった。
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