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写性 …SHASEI…
第21章 猫
「すまない。僕はあの人を愛している。だから、もう沙絵を抱くことはしない。」


「私はやめないわよ。お父様はあの人で満たされるかもしれないけど、
私は満たされないもの。
私がしたくなったら、あの部屋に付き合ってね。

お父様が嫌なら、お父様からは誘わなければいい。」

「沙絵…」

「ずっと一緒にいるって、ずっと愛してるって言ったじゃない。」

私はお風呂に入って初めて自室で一人で寝た。
お父様に無理矢理説得されたくなかったし、泣いてしまうのを見られたくなかったから…



次の日、あの人が来てからアトリエに連れて行かれた。泣かない、負けたくない。その思いでいっぱいだった。


「沙絵と申します。昨日は失礼しました。」

昨日からずっと考えていた言葉、丁寧で大人みたいな挨拶をした。

あの人を間近で見る。お母様に似てるか、似てないか…

よくわからない。だって、私が知ってるお母様は、お父様が描いたあの絵しか知らない。動いたり喋ったりしない絵なんだもの…

お嬢さんと呼ばれたことと、とても優しそうな人だなと思っただけ…

「お父様、私、もう下がってもよろしいですか?」

お父様に聞くが二人とも驚いていた。
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