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写性 …SHASEI…
第24章 陣痛
お父様の顔は見ていないけど、悲しそうな声だった。

「ねぇ、ゆっくりお風呂に浸かって、お昼寝しよう?お父様疲れたんだよ。」

「そう…しようかな…」

お父様の胸に背中を付けるようにして湯船に浸かる。
お父様は後ろから私をギュッと抱き締めてきた。

「沙絵は優しいね。」

「だって、お父様のことを愛してるもの…」

「そうか、ありがとう。」

私の頭の上で頬擦りをしながらお父様は言った。


湯船から上がり、黙って手を繋いで寝室に向かう。
二人とも無言のままだった。

お父様がベッドに横になる。

「おいで…沙絵…」

「カーテンを閉めるね。」


部屋が暗くなったところで、お父様に寄り添って布団に入る。

お父様は無意識にまたため息をつく。


私は着物の襟元から見える胸元にチュッとキスをした。

「沙絵…」

「私を愛して…
お母様でも、あの人の代わりでもいいから愛して…
愛してる証拠をちょうだい。」

「そんなことは…」

「あの人に触れられなくて寂しいんでしょう。
私にしていいよ。

悲しそうなお父様を見るのは私も悲しくなるから…」

「沙絵…ごめん…」
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