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写性 …SHASEI…
第29章 水仙
沙絵が英会話スクールを辞めたいと言うんじゃないかと気がかりだった。

体調を崩すほどのストレスになるなら、辞めさせた方がいい。

でも、そうしたら、どんどん嫌になっていくだろう。
学校に行きたい。
普通の生活を奪ったのは僕だ。でも、今のまま屋敷に閉じ込めていて沙絵が幸せになれるわけがない。

家についたので、話している途中で寝てしまった沙絵を起こしたが起きない。


それだけ疲れたのだと思う。僕は沙絵を抱き上げて家まで連れていった。

寝ぼけながらも僕にしがみつき、猫のようにすり寄る沙絵が愛おしい。

沙絵を部屋に寝かそうとすると、寝室で一緒に寝て欲しいと言われる。

疲れただけでなく、不安や寂しさもあったのだろう。言う通りにした。

抱いたままベッドに腰を下ろし、沙絵を抱えたまま横になり、向きを変えて沙絵を下ろす。

温もりが少しなくなっただけで沙絵はしがみついてきて体を巻き付けてきた。

足を絡みつけて擦りよる刺激に、自身が情けなく反応してしまった。

生理的な反応で沙絵に欲情したわけではないし、もうそういうことはしない。

沙絵は寝ぼけたまま無意識に体を寄せているだけだ。
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