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第30章 入学

｢沙絵もしかして、僕よりもピーター先生の方が上かい？｣

｢当たり前じゃない。お父様とは結婚できないもの。｣

｢う…ううっ｣

Shouの真似をして言ってみる。

｢あははっ…あははっ、沙絵も沙絵のお父さんも面白いね…

沙絵、クラスでも遠慮しないで話せばいいのに…｣

｢だって皆いっぺんに話し出すんだもの…｣

｢あははっ…でも今みたいにどんどん答えりゃいいんだよ。

皆さ、沙絵と話がしたくてウズウズしてるだけなんだから…｣

｢なんで？｣

｢毎年クラス替えがあるって言っても元々３クラスしかないからさ、皆知り合いっつうか…

だから、新しくきた沙絵と早く仲良くなりたいんだよ。｣


｢そうなんだ。でも、私は皆のこと知らないし名前もわからないし…｣

｢大丈夫だよ。忘れたら何度も聞き直せばいいし…｣

｢そんなでいいの？｣

｢いいんじゃね？沙絵は真面目に考え過ぎるんだよ。｣

｢ふぅん…｣

｢あ、俺んちここを右に曲がるんだよ。｣

｢じゃあわりと近いね。家はもうすぐだから…｣

｢沙絵、明日さ…この角で待ってていい？｣

｢でも会えないと悩むから正門でいいよ。｣

｢え…あ…うん…わかった。｣