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写性 …SHASEI…
第32章 昇華
二人とも微妙な面持ちになる。

「どこの学校か教えろよ。」

沙絵は自室からパンフレットを持ってきてShouに見せて説明する。

「なんだ。沙絵、やりたいことあるんじゃん。写真が好きなんじゃん。」

「うん…好きだよ。見たものが形に残る。切り出して私だけのものになる。」

「すげぇな。受験頑張れよ。応援するから…
だめだったら俺が結婚するから…」

「何よそれ、カメラマンかShouと結婚するかしかないみたいじゃない。」

「い、いや、頑張れよってこと…

あっ、そろそろ帰らなきゃ。」

「うん…じゃあ、Shouの誕生日パーティーのこと、覚えておいてね。」

「ああ…わかった。じゃあ、お邪魔しました。」


しょう君の気持ちを思うと歯痒くなるが、僕から沙絵に言う話じゃない。

沙絵にしてみれば、初めての友達で異性として意識していないのは明らかだから…

僕は二人を見守ることにした。


夜には二人でケーキを食べる。しょう君のおかげで歌を歌うのを受け入れるようになった沙絵。

根本的な問題が解決していないことには気付かなかった。
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