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第34章 百合

｢うちの写真部が沙絵の写真とったらしくてさ。

女子校で騒がれてるだけだろうなんて舐めてた野郎共が、写真みて美人だって、うちの学校で沙絵の写真が出回ってた。｣


｢なんで、そんな…｣

｢知り合いいないのかとか、出身小学校はどこなんだとか、噂になってたよ。｣

｢やだ、そんなの…｣

｢だろ？だから俺は黙ってたよ。｣

｢ありがと…｣

｢まぁ…誰にも紹介したくないからね。｣

｢ん？｣

｢いや、何でもない。｣

｢翔は同性同士の恋愛って理解できる？｣

｢はあ？｣

｢できないよね。｣

｢お、俺は普通に女子がいいけど…
沙絵は女子が好きなの？｣

｢いや、好きな人いない。｣

｢ピーター先生は？｣

｢人のモノだから…｣

｢そっか…｣

｢女子校だからかわからないけど、校内でカップルとかいてね。
女バスのキャプテンも彼女いるの。

私は写真部存続に貢献したから、沙絵様って騒がれてるだけ。

人を好きになる暇なんてないかな…｣

｢写真でいっぱい？｣

｢うん…翔もサッカーでいっぱいでしょ？｣

｢いっぱい以前にサッカー漬けだよ。サッカーとサッカーのための体作りで１日が終わる。飯なんか５食だよ？

おかげで成長株。｣