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写性 …SHASEI…
第35章 バレンタインデー
でも、私も誰かにプレゼントしてみたい。

「お父様にプレゼントしようかな。」

「じゃあ一緒に選びに行こう。」

彼女たちはとても嬉しそうだ。

いつ渡すものなのかと聞いたら、お父様になら夜でいいのではと教えてもらった。

売り場には本当に色んなチョコが並んでいた。

ハート型のものが多い中、私はシンプルなトリュフにした。

「沙絵様、渋すぎ〜」

「だってお父様にだよ?」

皆が1日前に買うので、私はお父様に見つからないように勉強机の引き出しに隠した。


お父様が誕生日プレゼントを選ぶ気持ちがわかった。内緒で準備するのはウキウキした。

前日までは、このイベントの恐怖を知らなかったのだ。


「おはよう。」

電車から降りてほとんどの子が、カバンと合わせて紙袋を持っている。

というか、いつもより登校中の人が少ない。

遅刻かしらと時計を確認するほどに…

何だろう。

正門をくぐると、いつもの沙絵様コールも少なく感じた。


逆に平和な日じゃない。一瞬でもそう思った私が間違いだった。

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