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写性 …SHASEI…
第35章 バレンタインデー
靴箱まで行って異変に気づく。
靴箱の蓋の取っ手に袋がぶら下がっている。

『沙絵様専用臨時上履き入れ』

と大きく書かれていた。
そして、空袋には
『沙絵様専用下履き入れ』となっている。

とりあえず上履きに履き替え、靴を専用袋に入れる。

何故靴箱が使えないのか…

取っ手を引き上げると畳まれた紙袋。
それを取ると靴箱一杯にチョコが詰まっていたのだ。
袋には『持ち帰り用袋』の付箋、内扉には

『整理券番号順に詰めてください。整理券を持っていない方は入れられません。
扉が締まる程度にしてください。
入れられなかった方は事務局にお知らせください。
個別袋から出して沢山入るようにご協力ください。

沙絵様ファンクラブ事務局』

等と注意書きが貼られていた。

それはきちんと守られて、皆さんチョコの包みにメッセージカードがシールで貼られている。


「え…」

私は用意された紙袋にチョコたちを詰め替えていった。

教室までの間、あちこちから、

「ちゃんと受け取ってもらえたわ。」

「沙絵様食べてね〜」

などの声がかかる。


でも、それだけではなかったのだ。
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