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写性 …SHASEI…
第36章 別れ
「そうなんだ。」

翔はどんどん夢に近づいていく。何も進んでいない自分に焦りを感じた。

「どうした?沙絵、寂しい?」

「何で?今だってほとんど変わらないじゃない。」

「まぁ、そうだね。」

「でも、翔は凄いね。自分のやりたいことにどんどん向かっていって…」

「沙絵は違うの?」

「う…ん、あまり何も考えてなかったなぁ。」

「そっか、頑張れよ。」

「うん。」

「電車も気をつけて乗れよ。」

「やだなぁ、もう一人で乗れてるわよ。」

「そうじゃなくてさ、沙絵、可愛いいから気をつけろよ。」

「え?」

「だから、痴漢とか変なことにならないように。」

「あ、うん。気をつけるよ。」

翔は顔を赤くしていた。

もしかして、友達と思っていたのは私だけで、翔は異性として見ていたのかもしれない。

ふと思ったけど、聞かずにいた。

「あ〜ぁ、私も自分の将来考えなきゃ。」

「カメラマンになって、俺の試合を撮りにきてよ。」

「あはは…それも含めて、どんな写真を撮るカメラマンになるか、考えなきゃね。」

「そうだよ。頑張れよ。」


翔にはいつも助けられて気づかされてばかりだ。

「翔も頑張ってね。」

「おぅ、ありがとな。」
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