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写性 …SHASEI…
第36章 別れ
日中も沢山シャッターを切り、部活の時間で現像した。

これだ。


大きく伸ばして現像すると、タイトルが浮かんできた。

『…学校…学生の容れ物…』

そびえたつ校舎が巨大化した今の社会そのもののようで、そこに収監されるがごとく吸い寄せられる生徒たち、
そこには覇気も意志もない。




「出来た。
これ以上の傑作が出来なければ、これにするわ。」

パネル張りにしてタイトルプレートを作り始めた。

「沙絵様、学校だということは、見てわかるんだから、主題は一捻りした方がいいと思うの。

伝えたいことはよくわかるんだから…」


「う…ん」

学校じゃなくて、何がいいのだろう。
何で、私はシャッターを切ったのだろう。


また考える…


そもそも何でこんなに思い詰めたのか…

カメラマンに成りたくて、カメラマンに成る方法を先生に相談した。

進学のアドバイスは出来るけどと言われ、やりたいことを探し、
小手調べにコンクールに応募することを目標にしたのだ。


学生の主張をテーマに校内を歩き回り、見つかったのが容れ物に収まることで存在意義をもつ生徒たちの登校風景だった。

やりたいことはいつ見つかるのだろう。
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