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写性 …SHASEI…
第37章 思わぬ障害
「君は、写真部の女王、沙絵様の作品が盗作だとでも言うのかね?」

「いや、とんでもない。確かに毎日見ている正門の風景ですがね。写真で見たような気が…」

「畑は違えど同じ芸術を扱う僕は、沙絵様の能力は素晴らしいと評価してますよ。それを盗作呼ばわりとは…

言語を扱う立場にありながら君はなんてことを言うんだか…

こんなことで校長からの依頼の仕事をまともにこなせることだか…」

「ああ、思い出した。そのパンフレットですよ…
先生はレイアウトだけで写真の中身を見ていないんですか?
明るい学舎…」

美術部顧問が慌ててその場を立ち去った。



「僕(しもべ)ちゃん、すごい演技力だね。
演劇部の顧問やればいいのに…」

「いや、落語部で十分でしょ…落ちがあればいいんだから…」

あははっ…

部室に籠ってのお昼が楽しくなってきた。

「さて、緊急会議になる前に投票締めなきゃじゃないの?」

「いや、それに合わせて途中開票結果でも十分だよ。」

「美術部顧問が校長に報告しなかったら?」



「大丈夫よ。僕ちゃんに直接動いてもらうから…
美術部顧問は気が小さいから、うちの顧問も交えてまず三人で相談しようと言い出すはずよ。」

「写真のチェックを頼まれてる顧問の顔も考えてね。」
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