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写性 …SHASEI…
第37章 思わぬ障害
お父様に頼み、発表日の朝刊だけでも取り寄せてもらう。

「沙絵、今日でしょう?ポストに入っているから、取ってきたら?」

「ええっ…私が見るの?」

「僕が見て聞かされるよりは、自分で見たほうがいいんじゃない?」

「は、はい。」

緊張する。

ポストから取ってきたけど見るのが怖くてお父様の待つ応接間に畳んだままで持っていった。

「一緒に見てもいい?」

お父様が隣に座る。

頷いて紙面を広げていく。地方版の一面にコンクールのことが取り上げられていた。

「支社の開催だったんだね。」

カラーで大きく載っているのは、作品展の会場の様子で、作品までははっきりと写っていない。


開催主旨や作品展の案内、審査員の紹介や経歴などの記事がつらつらと書かれていた。


「あっ…」

「どうしたの?沙絵。」

「学校に関わりのある写真家が、審査員にいる。」

お父様に心配をかけたくなくて詳しくは言わなかったが、パンフレットの写真家が審査員にいた。

これではもう学校に連絡が入っているかもしれない。

そして最後に入賞作品の記事があった。

最優秀作品賞に、私のタイトルと名前が書かれていた。

評定などは学校を通じて本人に直接渡されるということが書かれていた。
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