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写性 …SHASEI…
第37章 思わぬ障害
「それにはどうすればいいのですか?」

「答えなどないよ。
あったら僕は校舎のパンフレットなんて撮ってない。」

「あ…」

「強いていうなら世界を知って感性をもっと育てなさい。自分にあったテーマのコンクールがあれば、出展して、知名度をあげるのもいいだろう。

技術やノウハウのアドバイスくらいは出来るからね。
何かあったら連絡くれればいい。」

そう言われて名刺を手渡された。

「ありがとうございます。」

「それと副賞があるから写真にまつわるもので欲しいものがあればこちらに連絡してくれ。」

渡された紙に新聞社の連絡先と予算が書かれていた。

「今回は期せずして同じ被写体を撮らせてもらったが、沙絵様と同じアングルで明るい未来を撮ったということで、君の力を使わせてもらうよ。」

「は、そんな…とんでもない。」

「芸術の世界は、才能や技術だけじゃないんだ。運が大きく作用する。

チャンスと感じたら逃しちゃだめだ。
成功を祈ってるよ。」

「ありがとうございます。」

私はお辞儀をして校長室を後にした。

答えのようで答えのないアドバイスは私の心に深く刻まれた。
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