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写性 …SHASEI…
第37章 思わぬ障害
そんな突っ込みも恐ろしくて誰も部長を止められない。
「ああ、もう話すよ。
そして、皆の知恵を借りるよ。」
「前置きはいいから早く話してください。」
「あの…これのことなんだよ。」
顧問は私の作品のレプリカの一部を指差した。
「これって沙絵様の写真に失礼です。」
「いや…この子…の親…」
「はあ?」
顧問が指しているのは、正門に吸い込まれる学生の構図の中で、私に一番近いところにいる子で、友達と話していて、笑いながら正門に吸い込まれる子だ。
「この子の母親が毎日校長室に来て、ごねてるんだよ。」
「何を?」
「その何をがないから、毎日対応に追われて、校長室に…」
「肖像権の侵害、ですか?」
私が訊くと顧問は頷いた。
「まさしくそうだ。
許可もなく撮影されて、勝手に新聞に掲載され、
作品展では個人が特定できるほどはっきりしてしまったと…」
「それで?」
問い詰める間に胸の下に組まれた腕はそのままでジロリと顧問を睨んで部長は言う。
「それだけ…」
「それだけじゃないでしょ。その親はなんて言ってるのよ。」
「それだけだから困ってるんだよ。」
「はあ?」
「『許可もなく撮影して肖像権の侵害だ。どうしてくれるんだ。』の一点張り…」
「ああ、もう話すよ。
そして、皆の知恵を借りるよ。」
「前置きはいいから早く話してください。」
「あの…これのことなんだよ。」
顧問は私の作品のレプリカの一部を指差した。
「これって沙絵様の写真に失礼です。」
「いや…この子…の親…」
「はあ?」
顧問が指しているのは、正門に吸い込まれる学生の構図の中で、私に一番近いところにいる子で、友達と話していて、笑いながら正門に吸い込まれる子だ。
「この子の母親が毎日校長室に来て、ごねてるんだよ。」
「何を?」
「その何をがないから、毎日対応に追われて、校長室に…」
「肖像権の侵害、ですか?」
私が訊くと顧問は頷いた。
「まさしくそうだ。
許可もなく撮影されて、勝手に新聞に掲載され、
作品展では個人が特定できるほどはっきりしてしまったと…」
「それで?」
問い詰める間に胸の下に組まれた腕はそのままでジロリと顧問を睨んで部長は言う。
「それだけ…」
「それだけじゃないでしょ。その親はなんて言ってるのよ。」
「それだけだから困ってるんだよ。」
「はあ?」
「『許可もなく撮影して肖像権の侵害だ。どうしてくれるんだ。』の一点張り…」