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写性 …SHASEI…
第38章 羽化
思い返してみれば、お父様が寝込むなんて今まで一度もなかった。

今はほとんどなくなった私の発作の為に、ずっと気を張っていたのだろうか。

お父様にしてもらったように、お粥やプリンを作り、冷やしタオルを当てて看病した。

「あぁ、美味しい。看病してもらうって嬉しいんだね。」

「寝込むと心細くなるよね。」

「うん、そうだね。」

「一緒に寝てあげようか。」

「感染すからいいよ。」

「大丈夫よ。」

お父様のベッドに潜り込む。久しぶりだ。
中学になってから寝室は別にしてたから…

「あれ、結構狭いわね。」

「ふっ…沙絵が大きくなったんだよ。」

「そうだね。」

「沙絵は学校でも背が高い方でしょう?」

「うん、お母様も背が高かった?」

「いや、小さい方だったよ。沙絵は僕に似たのかなぁ。」

「ふふっ…そうかもね。」


血が繋がってないとか思わなかった。
本当の父親を知らないし、知りたくもないけれど、お父様に似たと言われて嬉しかった。

安心したのかお父様は眠りにつく。
アメリカに行きたいと言ったのが、それほどショックだったのだろうか…

でも、だからといって諦められない。
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