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写性 …SHASEI…
第38章 羽化
一年間親子の時間をたっぷり過ごし、快く送り出してもらいたい。


人の温もりって安心するんだな。
小さいころを思い出す。
わからないままにsexみたいなことをしていたこと、
お父様と結婚すると決めていたこと、
お母様になりきってでも、お父様を独り占めしたかったこと、

いろんなことを思い出しながら、いつしか眠りに落ちていた。



暑い…

暑くて目覚める。
お父様の熱があがったせいだった。
急いで氷枕を替える。


「っぅぅ…いずみ…いずみ…沙絵が…」

ああ、まだいずみさんはお父様の心にいるんだ。

あの日から、口には出さないけど、衣装部屋の着物の準備を欠かさないのは知っていたけど、
無意識にも名前を呼ぶほど思っているなんて…


私にはわからない…
親子の愛と男女のものが違うと言われてもわからない…

sexを拒否されてどうやって愛したらいいのかわからない…

お母様、こんな私でもいいですか…

やりたいことは見つかり、生きたいと思うけど、そもそも私は生まれてきて良かったのだろうか…

うなされるお父様の手を取った。

「お父様…沙絵だよ。私はここにいるよ。」
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