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第38章 羽化

愛ってなんだろう。

手をつないだり、思いあうことじゃないかと感じるが…それで満たされるのだろうか…

sexは直接体を充たしてくれる。
愛なんてあると思っているだけで、本当はないんじゃないか…

sexが全て、その代償として生まれた子供だから愛してると思ってるのではないか？

元々わからないことを考えても、解るわけがない。


買い物を終えた私はお父様の布団に潜り込んだ。
やっぱり寂しかったから…


お父様の熱はその後下がり始めて、翌日から学校に行く。

学校生活に追われる中でも、ふと考えるのは愛とsexについてだった。

答えなどでない。でも何かこのままではいけないような気がした。

そして、お父様といずみさんの関係も、あの日のままではいけないと思った。


お父様はアメリカ行きをはっきりとは許してくれない。
でも、時折、『こうなった時はどうするのだ？』
という話をして、本当に一人で大丈夫なのか話し合った。

曼珠沙華の中でお母様を偲ぶ日に、
『来年から沙絵はいないかもしれないよ。』
と記念碑に話し掛けていた。