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写性 …SHASEI…
第38章 羽化
クリスマス、さすがにサンタクロースはお父様だと気づいていたが、何も言わずにいて、未だにお父様は欲しいものを探りにきたりと一生懸命サンタクロースをしている。


でも今年は一切探りに来なかった。
子供のころからの習慣通り、朝一番にツリーの下に行く。

そこには細長の包みと手紙が置かれていた。

いつもだと包みの中にメッセージカードが入っているのだけど…

私はお父様に報告に行かずにアトリエで手紙を開けた。

『沙絵へ
たぶんこれが最初で最後の僕からのクリスマスプレゼントになると思う。

今まではサンタクロースからだったからね。

プレゼントは、いっぱい悩んだけど、

アメリカ行きを許すことだよ。

心配だし寂しいしどうしようかと思ったけど。

僕が美大に進むかどうかを悩んだ時、沙織は力強く、好きな絵を描き続けてと応援してくれた。

だから僕も快く送り出すことにするよ。
そして沙絵の成功を祈ってる。

でも、もし日本に戻りたくなったら、意地を張らずに戻っておいで、
ここはずっと沙絵の家だからね。』

お父様…

ありがとう…

包みを開けるとネックレスが入っていた。シルバーのチェーンにプレート。

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