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写性 …SHASEI…
第39章 桜
葉のない桜、その突飛な絵を飾っていいと話した。
来年には、いやもうすぐ私は居なくなる。
いずみさん、気づいて…
「沙絵、それで、今年の誕生日は何が欲しい?」
この屋敷で祝う最後の誕生日。
お父様に前もって聞かれたけど、
当日で間に合うものだと伝えてあった。
「お父様、先にケーキを食べましょう。」
蝋燭を立てていく。
お父様は約束を忘れてしまったのだろうか。
私もあの時の思いのままではない。好きな人はいないけど、
でも、それは、あの時から逃げてしまったからではないだろうか。
あの時に戻って決着を着けなければいけないと考えていた。
「沙絵、18歳おめでとう。」
お母様が死んだ日…
翔のおまじないでおめでとうを受け入れられるようになったけど、
根本は何も変わっていないのだ。
フゥゥゥゥゥ…
「おっ…今年も良い年になりそうだね。」
「うん。良い年にしてみせるわ。」
「あははっ…
翔くんも呼べば良かったね。」
「翔は寮から出れないから無理よ。」
「そうか、彼も頑張っているんだね。」
「うん。」
ケーキを食べ終える。
「ところで沙絵、欲しいものは?」
「お父様小さいころの約束覚えてる?」
「へっ…」
来年には、いやもうすぐ私は居なくなる。
いずみさん、気づいて…
「沙絵、それで、今年の誕生日は何が欲しい?」
この屋敷で祝う最後の誕生日。
お父様に前もって聞かれたけど、
当日で間に合うものだと伝えてあった。
「お父様、先にケーキを食べましょう。」
蝋燭を立てていく。
お父様は約束を忘れてしまったのだろうか。
私もあの時の思いのままではない。好きな人はいないけど、
でも、それは、あの時から逃げてしまったからではないだろうか。
あの時に戻って決着を着けなければいけないと考えていた。
「沙絵、18歳おめでとう。」
お母様が死んだ日…
翔のおまじないでおめでとうを受け入れられるようになったけど、
根本は何も変わっていないのだ。
フゥゥゥゥゥ…
「おっ…今年も良い年になりそうだね。」
「うん。良い年にしてみせるわ。」
「あははっ…
翔くんも呼べば良かったね。」
「翔は寮から出れないから無理よ。」
「そうか、彼も頑張っているんだね。」
「うん。」
ケーキを食べ終える。
「ところで沙絵、欲しいものは?」
「お父様小さいころの約束覚えてる?」
「へっ…」