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写性 …SHASEI…
第39章 桜
実くんと幸せそうに歩く姿に憎しみを覚えたことを思い出す。

お母様になってもらいたかった。

色んな感情が溢れ出した。

いずみさんとお父様を見たい。私はお茶を入れてアトリエに向かう。いずみさんを早く見たい。あの日の懺悔をしているだろうか。


ノックもせずにアトリエに入ると、いずみさんがハンカチを取り出し涙を押さえているところだった。

「お茶でもどうぞ。」

俯くいずみさんにお茶を出してアトリエを出た。

まだ、友好的に話をする準備は出来ていない。このままでは何故?どうして?と詰ってしまいそうだった。

側でみて、会いたかったと思えば、合わせて憎しみも募る。お父様といずみさんの愛が消えていないのかが見たいのだ。


「いただきます。」

「どうぞ」

二人の声が聞こえるので私は急いで支度をした。
お父様ならどうしたいのか。その準備をした。




ワタシは紅茶に口をつける。カモミールティーだった。


「突然お邪魔してすみません。」

「いや、よく来てくださった。」

背を向けたままで会話は続く。

「ずっと逃げ出したままにしてすみませんでした。」

「仕方ないことです。
今日はどのくらい時間ありますか?

お子さんが帰ってくるまででしょうか?」


「は、あ…」

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