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写性 …SHASEI…
第39章 桜
いずみさんは羞恥に堪えられず瞼を閉じた。
視界を閉ざせば余計に感度が上がるのに、この人は無意識にか私たちの加虐心を煽ってくる。


「お父様…綺麗…凄いわ…」

私はわざとお父様に話しかけながらいずみさんをなぶる。

「沙絵、静かに、本人が認めていないんだから、判らせてあげなきゃいけないんだよ。」

お父様は更にいずみさんをなぶる。

二人の共通の奴隷。
貴女の存在はそれでいいのよ。

百合と薔薇の絵を飾ることは、最後の賭けだった。

沙絵の人生を歪ませてしまった僕は、彼女が独り立ちするまでは彼女の意見を聞く。それが沙絵への償いだと思った。

何でも言いなりに成るわけでなく、正しい親子関係を形成しつつ、僕の人生の選択という意味で、彼女の意見を取り入れた。


季節の花にメッセージを託した。貴女に帰って来て欲しいと…

でも、あまりに直接的なものは沙絵に許されなかった。

結局、沙絵は約束の18になるまで許すつもりはなかったらしい。

でも、身を持ってわかったんだろう。
本当に愛せる人は、何人もいない。
いや一人しかいないのかもしれないと…

そして、やっと、直接的なメッセージを、百合と薔薇の絵を飾っていいと許された。
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