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写性 …SHASEI…
第40章 薔薇の絵
翌朝、いつもの時間にいずみは訪れなかった。
やはりあんな仕打ちをうけて、これるわけがない。

そう沙絵に言おうとしたら、僕より落ち込んで、ソワソワしているのを見て、思いとどまった。

ゆっくり二人で過ごせばいい。近所の公園に出かけてもいいし、庭の花を一緒に作品にしてもいい。

そう提案しようとしていたところでインターホンが鳴った。

沙絵の表情がパッと明るくなる。会いたいなら何故酷い仕打ちをするのかがわからない。


「いずみさんよ。お父様はアトリエにいて、私が応対するわ。

約束は昨日と一緒だからね。」



アトリエに入ると、いずみの写真がイーゼルに置かれ、絵の道具が準備されていた。

縄化粧をした背面のいずみの写真、
背中からも色香を感じ、僕を誘っていた。


カラン…カラン

「やっぱり来てくれたのね。」

いずみさんを出迎えに行く。やっぱり来てくれた。

「おはようございます。」

「少し遅いから待ってたのよ。今日はランチを一緒にしましょう。大丈夫かしら?」

「はい。是非」


ランチを一緒にと提案したら、受け入れてもらえた。
そのほうが長く一緒にいられるから良かった。
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