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写性 …SHASEI…
第40章 薔薇の絵
うっ…

「綺麗になったところを見せて差し上げなさいよ。」

グイグイとリードを引き、鎖がガチャガチャと鳴る。

「沙絵、乱暴はいけないよ。」

「だって、この犬言うこと聞かないんだもの。」

「だからと言って乱暴してはいけない。

どうして言うことを聞かなければならないのか、教えて躾なければ、ペットは飼えないんだよ。」


いずみを傷つけたくなくて沙絵の会話に集中した。

「うーん、いずみさん。
お父様のお仕事を邪魔しちゃいけないわ。

早く言われた姿勢になりなさい。」


いずみさんが足を開き上体を起こし、手を胸の脇でだらんとさせ、やっと命令通りにする。

「ほら、ご主人に剃毛されたんですって、隠すべきところが丸見えって、本当に犬みたいよ。」

赤くなるいずみさんに満足した。

お父様も筆を止めて、いずみさんをじろじろと見る。今日もまた楽しめそうだ。

沙絵に言われていずみを見ると、ご主人に剃毛されたというのは本当だった。


やはり、僕たちの関係に勘づいて鋭い嗅覚が働くのだろう。

見た目にわかる痣はないが酷いことをされていないか心配だ。

ここでも家でも酷い仕打ちを受けたら参ってしまうのではないか。
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